お客様をとられると感じるとき。本当に向き合うべきことは、どこにあるのでしょうか
共同出店で、お客様をとられている気がする。なぜか自分だけが前に出られない。そんな感覚の正体は、実は昔の誰かとの関係を、そのまま引きずっているだけなのかもしれません。今、本当に向き合うべきことをお伝えします。
ご相談の内容は、次のようなものでした。
一緒に出店している経営者さんのことです。自分が声をかけて呼び込んだお客様が、そのまま隣の方の商品に流れていく。あるいは、自分に話しかけてきたお客様に、その方が割り込むように答えてしまう。そんなことが続くうちに、なんとなく「格下でいることを期待されている気がする」と感じるようになってきた、とのことでした。
それは、少しモヤモヤしますよね。
けれども、そのモヤモヤの中身をよく見てみると、興味深いことが見えてきます。
「とられた」と感じる気持ちを、ちゃんと感じてあげてください
お姉さんとの関係に似ているとのことでした。小さい頃、よく妬まれていた。そのため、「自分が前に出ると、相手が嫉妬するのではないか」と、どこかで信じていらっしゃるのでしょう。
そのパターンが、そのまま今の状況に持ち込まれているのです。
だから、お客様をとられそうになっても、「あ、また……」と引いてしまう。声をかけたいのに、なんとなく遠慮してしまう。そして、あとから「またとられた」とモヤモヤする。この繰り返しです。
まず最初にやっていただきたいのは、「とられた」という気持ちを、正面から感じてみることです。なかったことにしないでください。「悔しいな」「もったいなかったな」「もっと引き留めたかったな」。そうした素直な気持ちを、ご自分でしっかり受け取ってあげてほしいのです。
感じることを飛ばして、「でも、あの方はよくしてくれているし」「角を立てたくないし」とすぐに着地しようとするから、エネルギーがずっとそこに引っかかったままになってしまいます。
「だからどうする?」に気持ちを向けていきましょう
感じたら、次のステップです。
「とられてしまう」「嫉妬されるから引かなければ」と思うエネルギーを、そのまま「では、自分はどうするか」に変えていけるかどうか。そこが、ここでの分かれ道です。
ディスプレイを工夫して、声出しもして、すでにあなたなりの努力はなさっています。それは本当によくやっていらっしゃると思います。ただ、そのあとのエネルギーが「とられないようにしなければ」に向いているとしたら、それはもったいないことです。
お客様にもっと積極的に話しかける。ご自分の商品の魅力をもっと掘り下げる。「この人に選んでもらえるものは何だろう」と考え続ける。そちらにエネルギーを注いでいくことが、本当にすべきことなのです。
あの方との関係の中でどう振る舞うかではなく、お客様にどう向き合うか。そこが中心にあるはずではないでしょうか。
あなたの中に、ちゃんと答えがあります
人は課題を感じたとき、つい「あの人がこうだから」「この関係がこうだから」と、外に原因を見つけようとします。けれども本当のところ、答えは自分の中にあります。
「格下でいることを期待されている気がする」と感じているのは、誰かに強制されたからではありません。ご自身がそう動いてしまっていることに気づいているからこそ、こうして気になっているのではないでしょうか。
その気づきは、大切にしてください。
「嫉妬されるかもしれない」というパターンを、そのまま今の場所に持ち込まない。あの方との力関係を気にする方向に、意識を向けない。そして、もっともっとご自分の商品を磨いて、お客様に好きな方を選んでもらう。その一点に戻ってくるのです。
それだけで、流れはずいぶん変わります。
シェア出店をうまく卒業したい、とのお気持ちも素敵だと思います。ただその前に、今の場所で「自分が遠慮をやめたらどうなるか」を、もう一度試してみてもよいかもしれません。